夜は短し歩けよ乙女 (森見登美彦)
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クラブの後輩である「黒髪の乙女」に想いを寄せる「私」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に「ナカメ作戦」を繰り広げた。それは「なるべく彼女の目にとまる作戦」を省略したものである。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。 「太陽の塔」に続いて、この「夜は短し歩けよ乙女」を読みました。舞台は同じ京都、京大周辺。クラブのOBの結婚祝いのため、木屋町の西洋料理店を訪れた主人公は、ひと目惚れした後輩の彼女と同席していたものの、声をかけられずにいました。お祝いがお開きになり「和気藹々と二次会へ流れ去ろうとする人々の中にあって、私は彼女と私を結ぶ赤い糸が路上に落ちていないかどうか、鵜の目鷹の目で探していた」。(笑) 彼女は「もっとお酒が飲みたい」と、ひとりで歩いていってしまいます。その先で「個性溢れる曲者たち」と出会うことになるのです。主人公自身も「曲者」にちがいありませんが、彼女は折に触れて出会う先輩のことが気になって、どきどき思い出します。彼女は悪意や害意はなく、無邪気で素直な子です。しかしながら、だからといって罪がないわけではありません。乙女心が一体どっち向いて転がっていくのかをお楽しみください。 とっても怪しいキャラが登場しますが、主人公も含め、なぜか憎めない。演劇を見るような恋愛小説です。 |